マスコミの世界も中央集権型全国紙が劣化し、地方分権型地方紙が台頭してきた。

私は東京新聞の回し者ではないし、宣伝員でもないが、東京新聞が小沢氏に関しては実に真っ当な論評をするので、朝日新聞、読売新聞の社説が的外れの論説と対比して、際立って優れたように見えてしまう。

東京新聞は、内閣府の原子力委員会がこれだけの大事故を起こし、核廃棄物の処理もままならないのに、核燃料サイクル推進派を集めて勉強会をクローズで開催し、報告書に手を加えていたことに対して、「コソコソ何をしている」と口を極めて叱っている。

「原子力委員会は事務局に電力会社や関係メーカーの社員が出向している。もともと推進派有利に委員会を運営できる仕組みになっていただけでなく、原子力ムラの面々は白昼堂々、裏会合を開いて大復活を目指していたのだ。原発事故の反省など、どこ吹く風といった感じだったのだろう。

 こんなありさまで国の原子力政策や原発再稼働に理解を求めようとしても、とうてい無理だ。細野豪志原発事故担当相は電力会社社員の事務局出向を見直す考えを示したが、そんな小手先の対応で済む話ではない。」
と書いている。

細野担当相も随分と官僚の言うが儘になった。小沢氏が期待していた政治家だが、原発事故担当相をやってすっかり色褪せてしまった。

特に、決定的に過ちを犯しているのが、原発事故地域のガレキを全国に拡散していることである。「世に噛む日々http://eiji008.blog19.fc2.com/blog-entry-728.html」の著者は、北九州は鉄鋼産業のきたないイメージを払拭するため努力してきて、やっと綺麗なイメージを獲得してきたのに、ガレキ焼却によって、また汚染されたイメージに戻ってしまったと書いている。「絆」という言葉でまやかして、汚染を全国にばらまこうしている。こんなことを書くと、被災地の人のことを考えていないと言うが、それは論理をすり替えている。汚染は封じ込まなければならない。もし本当にその土地が住めないのなら、他の土地に移住してもらうしかない。それだけ、原子力事故は確率がゼロで無い限りやっていけない。

それに対して、やはり読売新聞は、この事実の問題の本質をすり替えて、「勉強会は必要だ」との社説を出している。

核燃「勉強会」 原子力委の情報収集は必要だ(5月27日付・読売社説)

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120526-OYT1T01111.htm

勉強会の目的は、この小委員会の会議資料の準備である。必要なデータの提出依頼や確認を行い、資料内容の技術的な正確性を点検することにあったという。

 正確なデータに基づく資料を会議の事務局が作成するのは当然のことであり、何ら問題はない。

 だが、原子力に関する一定の知識がない職員で置き換えれば、事務局の作業は遅れ、手間取るのではないか。細野氏には、慎重な判断を求めたい。


この社説の前提は、使用済み核燃料の再処理は行うべきというスタンスである。この勉強会で「推進派」に有利なように報告書を書き換えたという、一番重要な点を無視していることである。これが、日本で最も部数を発行しているマスコミであるからどうしようもない。

マスコミの世界も中央集権型全国紙が劣化してきて、地方分権型地方紙が台頭して、既存(利権)勢力に毒されないジャーナリズムを発揮していると考えられる。


以下東京新聞社説

原子力委員会 コソコソ何をしている

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012052702000098.html

2012年5月27日

 内閣府の原子力委員会が核燃料サイクル推進派を集めて勉強会を開き、報告書の原案に手を加えていた。「原子力ムラ」の暗躍そのものだ。こんな組織は完全に解体し、ゼロから出直すべきだ。

 あれほど悲惨な事故を起こしながら、性懲りもなく、まだ舞台裏でコソコソやっていたのか。まったくあきれ返る事態である。

 問題の勉強会には、電力十社でつくる電気事業連合会や高速増殖原型炉もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構など推進派の面々が勢ぞろいしていた。そこで小委員会に提出する報告の原案を配り、使用済み核燃料の再処理方法について議論した。

 その結果、報告の記述が地中廃棄のデメリットを強調する一方、プルトニウムを取り出す現行の再処理と廃棄の併存案に有利なように書き改められたという。

 二十回以上も開かれた勉強会には、近藤駿介原子力委員長のほか鈴木達治郎委員長代理、内閣府や経済産業省・資源エネルギー庁、文部科学省の官僚も参加していた。会場は東京・霞が関の合同庁舎会議室である。

 ようするに原子力委員会は、本来の委員会とは別に同時並行で、国民の目が届かないようにして推進派だけを集めた「裏会合」を開き、推進派に都合がいい報告内容を下書きしていたのである。

 政府は「報告書が書き換えられたことはない」などと釈明しているが、そんな話をだれが信用するだろうか。委員会のメンバーではない推進派の関係者に原案が配られたという事実だけで、原子力委員会の中立・透明性が著しく阻害されたのはあきらかである。

 原子力委員会は事務局に電力会社や関係メーカーの社員が出向している。もともと推進派有利に委員会を運営できる仕組みになっていただけでなく、原子力ムラの面々は白昼堂々、裏会合を開いて大復活を目指していたのだ。原発事故の反省など、どこ吹く風といった感じだったのだろう。

 こんなありさまで国の原子力政策や原発再稼働に理解を求めようとしても、とうてい無理だ。細野豪志原発事故担当相は電力会社社員の事務局出向を見直す考えを示したが、そんな小手先の対応で済む話ではない。

 まず近藤原子力委員長はじめ関係者を更迭すべきだ。そのうえで原子力委員会の組織を抜本的に見直す必要がある。業界との癒着が明白な組織がどんな報告をしようと国民は信用しない。



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