安倍政権の官邸御用役人政治の行きづまりと失墜の分析

最近のコロナ対策について、安倍政権は全く機能していない。驚く程、何もしていない。安倍首相の姿が全く見えてこない。それに対して、菅長官が報道ステに突然出て来て「GOTOをやっていなかったら大変なことになった」と自画賞賛した。GOTOは達増岩手県知事が勇気を出して批判したように早すぎでコロナを拡散した。このような今井秘書官を中心とする側用人政治と菅長官を中心とする内閣官房政治の綱の引き合いがなされている。

その分析が以下の記事によく書かれている。これを読めば安倍政治の今までの経緯が良く理解出来る。安倍政治が終焉したことがわかる。コロナは安倍には難度が高すぎた。もうどうしていいかわからないのだ。これを読むと、菅勢力がこれから跋扈するように見えるが、利権を背景とする独断専行も日本の爲にNOだ。今こそ、野党連合で自公政治を変える最大チャンスだ。


コロナ対策を牛耳る官邸「側用人」の跋扈と失墜<毎日新聞編集委員兼論説委員・伊藤智永氏>
https://hbol.jp/226516
2020.08.22
https://hbol.jp/226516

官邸の権力構造が崩れつつある
―― 伊藤さんは官邸取材を重ねながら、コロナ対策で迷走する安倍政権の実態を明らかにしています。 伊藤智永氏(以下、伊藤):安倍政権の新型コロナ対策は、官邸の権力構造から読み解くことができます。  官邸には二つのグループがあります。一つは、経産省出身の今井尚哉・総理秘書官兼総理補佐官を中心とする「官邸官僚」です。もう一つは菅官房長官をトップに、杉田和博内閣官房長官が事務局長として機能する「内閣官房」です。官邸官僚は今井人脈の集団であり、安倍政権のキャッチフレーズや看板政策を立案しています。一方、内閣官房は正式な官邸組織で、政権運営の実務を取り仕切っています。  官邸権力は官邸官僚と内閣官房の二重構造になっており、今井氏と菅氏の二人が「影の総理」として安倍総理を支えてきました。ところが、コロナ危機を機にこの権力構造が崩れつつあるのです。 ―― 今井氏は官僚でありながら「影の総理」「今井政権」と揶揄されるほど絶大な権力を振るってきました。 伊藤:今井氏は第二次安倍政権で総理秘書官に就任してから、重要閣僚級の存在感を発揮してきました。今井氏を中心とする官邸官僚にとって最大の政策目標は「いかに支持率を上げるか」です。そのために「政権をどうアピールするか」「安倍総理をどう見せるか」「『やってる感』をどう演出するか」という広報戦略を考え、それに合わせて経済・社会保障・外交などの諸政策を組み立ててきた。いわば「官邸の電通」です。  「力強いリーダー」という安倍総理のイメージや安倍政権のキャッチフレーズや看板政策である「アベノミクス」「三本の矢」「地方創生」などは今井氏が仕掛けたもので、2014年からは経産省の後輩である新原浩朗・経済産業企画局長を中心に「新・三本の矢」「働き方改革」「人づくり革命」「人生100年時代」などの大風呂敷を広げてきました。  これらの看板政策のいくつかは実際にやりましたが、その中でもきちんとした成果をあげたものはあまり見当たらない。結局、イメージ戦略が先にあって後付けで政策を組み立てるため、政策に一貫性がなく実際の成果も乏しくなるのです。見栄えはいいが中身はない。その意味で、安倍政権は本質的に「空虚な政権」です。しかし、こうした毎年変わる出し物は国民の好評を博してきた。国民は実績を問わないまま「やってる感」に目を奪われ、拍手喝采を送ってきた。その結果、第二次安倍政権は史上最長の長期政権にまでなったのです。

コロナ危機で通用しなかった今井戦略
―― その中でコロナ危機が起きた。 伊藤:今井氏を中心とする官邸官僚は新型コロナウイルスという有事に際しても、従来と同じ戦略で対応しようとしました。プロンプターを導入した総理記者会見、アベノマスク、総理が優雅に寛ぎながらステイホームを呼びかけるSNS動画、持続化給付金、GoToキャンペーンなど、国民ウケを狙った対策を打ち出した。  ところが、国民は「何をやってるんだ!」と急に怒り出したのです。おそらく官邸官僚は「今までと同じことをやっているのに、どうしてこんなに批判されるんだ」と戸惑ったはずです。それでも「これならどうだ」と次々と新しい手を打ったが、生煮えの中途半端な対策ばかりであり、その度にブーイングの嵐が巻き起こった。  官邸官僚は社会心理の変化を見抜けなかったのだと思います。新型コロナウイルスの国内感染が広がり始めてから、国民は目に見えないウイルスの恐怖に怯え、社会不安が増大していました。実際、官邸が政策変更を余儀なくされたのは緊急事態宣言中のことです。予算を組み替えてまで「条件付きで1世帯30万円給付」を「1人10万円給付」に変更したのは4月、検察庁法改正案を断念したのは5月でした。官邸は1月の時点で黒川弘務・東京高検検事長の定年を延長しましたが、この時は国民がほとんど反応しなかった。数か月の間に、それだけ社会不安が増大したのだと思います。  官邸官僚の広報戦略は平時においては機能するが、有事には機能せず、危機に対応できなかったのです。

コロナ危機で「側用人政治」の底が割れた
―― そもそも今井氏が危機対応にまで関与するのは、官僚の限度を超えていると思います。 伊藤:問題は、今井氏が「政務担当」の秘書官でもあることです。本来、政務担当の仕事は官邸と党の間を調整して、党の動きを押さえることですが、今井氏にはそれができず、トラブルが多発してきた。  たとえば、2016年に日韓の間で慰安婦合意を結んだ際、今井氏は「広報はこっちでやるから」と言っていたそうです。外交合意に対する発言としてあまりにも軽い。結局、今井氏は自民党を押さえることができず、官邸と党の間にしこりを残す結果になった。昨年、政府与党は韓国を「ホワイト国」から除外して輸出制限を行い、日韓関係は史上最悪レベルに悪化しましたが、その遠因はここにあったとも言われています。  また、2017年に安倍総理の親書を習近平国家主席に届けるために二階氏が訪中した際、今井氏は独断で親書を書き変え、一帯一路構想に対する賛意と習近平の来日要請をつけ加えたといいます。当時の谷内正太郎・国家安全保障局長はこれに抗議しましたが、今井氏は悪びれる様子もなかったそうです。  そもそも政務担当秘書官は官僚にやらせるべき役職ではない。それでも安倍総理は今井氏を登用した。その結果、官僚が外交・安保政策にも介入して問題を起こしている。ある内閣官房幹部は今井氏のことを「側用人」と呼びましたが、安倍政権の実態は今井氏が総理の権威を笠に着て実権を振るう「側用人政治」だったのです。
あのコロナ対策の陰にもいた「側用人」たち
 その弊害はコロナ対策でも表れています。たとえば、専門家の助言も聞かず、菅官房長官、萩生田文科相、加藤厚労相の反対を押し切り、何の準備もないまま、安倍総理に全国一斉休校を進言して、社会的混乱を招いたのは今井氏です。また、持続化給付金の具体的な業務を電通に委託して混乱を招いたのは新原氏です。  もともと今井氏のイメージ戦略は新原氏を中心とする経産官僚が企画・立案していますが、経産省には実務能力がないため、政策の実務を民間委託していました。ある政府高官は頻りに「ソリューション」(問題解決)という流行りのビジネス用語を口にしていましたが、今井氏は新原氏にソリューションを求め、新原氏は電通やパソナにソリューションを求めているということです。しかし、結局は問題を解決できない。コロナ危機によって、「ソリューション官僚」や「ソリューション企業」に政策を丸投げする「側用人政治」の底が割れたのです。  その結果、今では安倍総理と今井氏の関係がギクシャクしています。最近、安倍総理に長年助言してきたある政界ご意見番が記者会見を勧めたら「秘書官が反対するんです」と言われ、今井氏に電話したら「総理は森友・加計・桜の質問をされたくないんです」と言われたそうです。お互いに「秘書官が」「総理が」と責任をなすりつけ合う。側用人政治の末路です。

「もう菅政権になっている」
―― 今回の失態で今井氏の権力も失墜したようです。 伊藤:代わって台頭したのが、これまで裏方に徹してきた内閣官房を率いる菅官房長官です。もともと今井氏と菅氏、官邸官僚と内閣官房はお互いの縄張りを犯さず、政権の両輪として総理を支えてきました。しかし今井氏はコロナ対策に失敗して、安倍総理は国民の批判を恐れて「巣ごもり」してしまった。そこで、この夏の人事異動でも霞が関を強力に掌握した菅氏が政府の陣頭指揮に乗り出したのです。  現在、政府はコロナ対策について「医療崩壊しない限り、社会経済活動は止めない」という方針を採っています。GoToキャンペーンを強行したのも、連日感染者の数が過去最多を更新しても緊急事態宣言を発令しないのも、この方針に基づく判断です。こうした政府のコロナ対策は全て菅氏が仕切っている。  ある政府高官は「もう菅政権になっているよ」と言い切っていました。安倍政権の実態は以前から菅氏が政権運営を取り仕切る「菅政権」でしたが、コロナ危機によってそれが可視化されたのです。  それを象徴するのが、『月刊Hanada』(2020年9月号)です。同誌には「安倍総理、闘争宣言」という総理インタビューと「菅官房長官、覚悟を語る」という官房長官インタビューが掲載されています。しかし総理と官房長官のインタビューが同時に掲載されるのは異常です。「総理だけでは政権を代表できない」という意味になるからです。  実際に中身を読んでみると、安倍総理はコロナ対策の言い訳ばかりです。一方、菅氏は「私はコロナ対策の全体を見てきました」「私は全体を見て指示を出すようにしている」「最後に判断する責任をもつのは政治であり政権ですから……社会経済活動とのバランスを判断していく」などと発言しています。  まるで菅氏がコロナ対策の責任者は自分であり、最後に責任を負う政権の主体は自分だと言っているようじゃないですか。こうして二人の話が並ぶと、実質的に安倍総理の「引退予告」と菅氏の「後継宣言」のようです。安倍支持者に対する菅氏の顔見世のつもりでしょうか。少なくとも安倍総理が辞任するまで安倍政権を運営するのは菅氏だと告知する内容になっています。

安倍総理は心が折れかかっている
―― 安倍政権には「影の総理」が二人もいるが、肝心の「内閣総理大臣」はどこに行ったのでしょうか。 伊藤:安倍総理は国民の批判を恐れて「巣ごもり」「雲隠れ」状態です。最近では森友問題で自ら命を絶った財務省近畿財務局の職員である赤木俊夫さんの遺書と夫人の手記が公開されたことに、「今頃こんなことを言われるなんて……」とショックを受け、意気消沈して心ここにあらずという様子だといいます。  もともと安倍総理は向こうっ気は強くても、心の芯が強い人ではないのでしょう。私は第一次安倍政権が退陣した日のことをよく覚えていますが、安倍総理は2007年9月10日の臨時国会召集日に「職責を果たし全力を尽くす」と所信表明演説を行い、9月12日午後1時に代表質問を行う予定でした。しかし当日の正午過ぎにテロ対策特別措置法の延長が難しくなった途端、その場で辞任の意向を伝えて午後2時から辞任会見を開きました。政権を放り出した本質的な理由は体調が悪かったからではなく、政権運営に行き詰まって心が折れたからだということです。対テロ戦争に出撃した米艦艇にインド洋上で給油を行うためのテロ対策特別措置法の期限切れが迫っていたのに、野党が反対する国会を打開できなかった。  それと同じように、いま安倍総理の政権運営は森友・加計・桜・コロナで行き詰まり、心が折れかかっている。第二次安倍政権は第一次政権と同じことを繰り返し、一次政権の1年間を8年間に焼き直しただけだったという結果に終わるのかもしれません。 ―― やる気を失った総理大臣に存在意義はありません。ましてや現在はコロナ危機の最中です。安倍総理は一日も早く退陣を決断すべきです。 伊藤:安倍総理も「もう辞めたい」と思っているかもしれませんが、第一次政権のトラウマがあるため、ある程度格好のつく退陣の方向性が示されない限り、辞任の意向を示すことはないでしょう。  確かに安倍政権はすでに存在意義を失っている。しかしこれだけの長期政権が退陣するのは大変な作業です。当分の間は退陣の方向性を探りながら、菅氏がレームダック化した安倍政権を運用する状況が続くことになるはずです。安倍政権は名実ともに「空虚な政権」になった。  これは国民にとって不幸なことです。しかしその責任は、8年もの長きにわたって「空虚な政権」を支え続けてきた国民にもあります。それを自覚しない限り、安倍政権が終わっても空虚な政治は終わらないでしょう。 (8月3日、聞き手・構成 杉原悠人)




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