前原国交相が本体未着工の89ダム事業を事実上凍結表明

現政権は、コンクリートから人への投資を掲げている。

この中で、コンクリートの象徴のひとつであるダム事業について、前原国土交通相は25日、国と38道府県が進める143のダム事業のうち、ダム本体に着工していない89のダム事業(計90カ所)を来年度、新たな国の治水基準による検証の対象とすることを明らかにした。

新基準はダムに頼らない前提で検討されており、89事業は事実上、凍結される可能性が高くなった。
http://www.asahi.com/politics/update/1225/TKY200912250469.html

国交省は、コンクリート事業を進める総本山であった。その国交省が来年度公共事業を18%縮減することを認めた。このことは、政権が変わらなかったら出来なかったであろう。

ダム事業は国交省だけの専業事業ではなく、農林水産省も全国各地にダムを造り続けている。

土地改良法に基づいて造られた国直轄の農業用ダムは、これまでに150に上る。さらに現在、建設中の農業用ダムが15もある。現政権では、今後農林水産省としては、新規ダムは建設しない方向と決めている。

これは、ダムの水が抜けてしまって用を足さないダムや、農業灌漑に利用されていないダムが出てきたことや、また今後の維持費を考えた場合対費用効果が小さく、農業利用としてのダム利用の効果がなくなってきたためであろう。

ダムは治水、利水の特効薬のように言われて、全国津々浦々に建設されてきた。確かに、その効果が全くないとは言わない。

しかし、戦後60年の間に、ダム事業がその事業に群がる政官業の構造における体の血管のように組み込まれてしまった。

ダム事業は人間の体で言えば血液で、ダム事業に関係する政官業という血管で国の隅々まで栄養が送り込まれていた。つまり、ダムの利水、治水効果以外に、ダムを造り続けること自体が政官業の生活の一部になって、作り続けることが目的化されてしまったと言いたい。

戦後、ダムを造り続けて60年になる。ダムの寿命は200年、300年はないと言われている。これは、二つの理由がある。ダムはコンクリートと鉄骨で構成され、そのコンクリートの構造物としての寿命がある。

また、ダムは水を貯めることを機能とするが、土砂も貯めている。ダムが土砂で埋まってしまわないためには、絶えず浚渫しなければならない。

社民党の保坂展人氏のブログ記事(http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/7e9bb4637bf027ef7fffcf57c8019bda)にダムの寿命についてのコメントがある。

『ダムにも寿命がある。日本には、ダムをつくる技術はあっても、土砂やヘドロで埋まったダムを解体し、自然の川に戻す技術はない。百年先を見通せば、治水対策でもはるかに有効な河川の浚渫や護岸工事などをコツコツと積み重ねた方がはるかに安くすみ、税金も有効に活用される。』

前原国交省大臣も、ダムの利水、治水の効果以外に、ダムがあることによって土砂が海岸に供給されなく海岸が細っていき、これ防ぐため護岸工事するという悪循環も指摘していて、今後上記のダム寿命を含めた総合的な評価を進めていくと言っている。

ダムにも寿命があり、またダムがある限り維持費が発生することを考えると、次の世代に禍根を残さないために国家100年の単位で効果、弊害を見据えて、ダムに替わる新たな治水、利水、河川海岸工事を見直すべきと考える。

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